クリスマスについてもっと知りたい人は

e0016830_17212680.jpg「名作に描かれたクリスマス」
若林ひとみ/著 岩波書店 税込1890円

 クリスマスはイエス・キリストの生まれた日というくらいの知識で、日本ではサンタクロースがプレゼントを持ってくる楽しい日、とほとんどの人が思っているかも知れませんが、世界の国ではいろいろなやり方で、クリスマスを祝います。
 絵本や児童文学でも、クリスマスのシーンがかなり描かれていて、何となくお祝いの仕方にそのお国ぶりが垣間見えるのですが、この本はそれをちゃんと系統立てて見せてくれました。
 「クリスマスって何?」からはじまって、「サンタクロースってだれ?」「クリスマスのごちそう」…などなど。今さら人には聞けないと思っている人にも、児童文学ファンにも、充分役立つ情報です。そして最後にルイス・キャロルが『不思議の国のアリス』の別刷「『不思議の国のアリス』を読んでくださったすべての子どもたちへ」の中の一文を紹介し、これこそがクリスマスの精神として結んでいます。
 『地上に平和 ひとには愛を!』(脇 明子訳)
 世界中の絵本や児童文学の作家が『クリスマスの精神』を子どもたち伝えようと描き続け、それを読んで育った大人もいるのに、世界で紛争が絶えないのはなぜなのでしょうか? …それでも毎年クリスマスはやってきて、祈ります。私も本屋のはしくれとして、子どもたちにこのメッセージの込められた絵本や物語を届け続けたいと思ってます。

e0016830_1975120.jpg「世界で一番の贈りもの」
マイケル・モーパーゴ/作 マイケル・フォアマン/絵 佐藤見果夢/訳
評論社 税込1050円

 古い机の引き出しにかくされていた、一通の手紙。それは第一次世界大戦のクリスマスに、ひとりの兵士が愛する人に宛てて書いた手紙だった。
 1914年クリスマスの朝、しんと静まりかえり空気は冴えわたっていた。そこへドイツ軍が白旗を降っているという味方の報告。耳をすますと「メリークリスマス エゲレスさんよぅ」の声が。「こっちからも メリークリスマス!ドイツ野郎!」と返して、それで終りかと思っていたら、奇跡がおこったのです。ドイツの兵士が姿を現し、味方の兵士と一緒にクリスマスを戦場で祝うという奇跡が…。
 クリスマス休戦の公式記録は残っていないという。自然発生的に始まったことらしいという解説にも感動しました。この手紙を書いた青年のように、戦争は一般市民を兵士として送る残酷なものです。その中でもクリスマスの祈りを忘れない人々がいる限り、クリスマス休戦は続くでしょう。心からそう祈りたいと思います。
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by teal-green | 2005-11-28 18:20 | コガモ元店長の絵本屋日記 | Comments(0)


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