今週のおすすめの本「アンナの赤いオーバー」


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ハリエット・ジィーフェルト/ぶん アニタ・ローベル/え 松川真弓/やく 評論社 税込1365円

この季節になると、おすすめしたい一冊です。
このお話は、第二次世界大戦後、実際にあったお話です。

「戦争がおわったら、あたらしいオーバーを買ってあげようね」去年の冬、お母さんはアンナにいいました。でも、戦争が終わっても、お店はからっぽ。オーバーもなければ、食べ物もない、お金を持っている人もいなかったのです。お母さんは考えました。うちにはお金はないけれど、おじいさんの金時計とか、すてきな物がいろいろある。それでオーバーの材料が手に入る・・・
 
 まず、いるのが羊毛。おひゃくしょうさんに羊の毛と金時計をとりかえてもらいます。でも、羊の毛を刈るのは春。アンナは羊に会いにいき、羊の毛が伸びるのを待ちます。
 次に糸紡ぎのおばあさんに、ランプと引き換えに、羊毛を紡いでもらいます。そして、紡いだ毛糸をコケモモで真っ赤に染めました。
 それから、はたやさんに行き、ガーネットのネックレスと引き換えに毛糸で布地を織ってもらいました。次は、仕立て屋さん。ティーポットと引き換えにオーバーを縫ってもらいます。

 こうして出来上がったアンナの赤いオーバーは、本当にすてきでした!
その年のクリスマスイブには、オーバーを作ってくれた人たちみんなをよびました。
そしてクリスマスの日、アンナが会いにいったのは・・・?

 今、私たちのまわりには物が溢れ、何でもすぐに手に入ってしまうけれど、アンナとお母さんのように自分たちが大切にしている物を手放し、長い間我慢もして待ち、素晴らしい結果を手にするという体験はとても大切なことに思えます。
 アニタ・ローベルの絵は、背景の街の景色などに戦争の影を読み取ることができますが、そんな中でもアンナ母娘の生き生きした表情が希望を持たせてくれます。そして何より美しい赤が目を惹きます。また、はじめと終わりの見開きに描かれたアンナの成長ぶりに月日の経過を知ることができます。

 クリスマスを迎えるこの季節に、ぜひお子さんと一緒に読んでいただきたい絵本です。
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by teal-green | 2011-12-09 00:20 | おすすめの絵本 | Comments(0)


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